再び「刑事フォイル」を推す理由

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ドラマの名は、原題「Foyle’s War」の方がいい。第二次大戦中に、イギリス国民がどんな体験をして何を考えたかがよく描かれていて、同じ島国でも日本と英国では事情がいかに違っていたかを深く考えさせられる。

 2002年に放映が始まり、たぶん金がかかり過ぎるので終わったり、好評なので続編を再開したりを繰り返したりして、3年ほど前まで続いたようだ。

主役のフォイル警視正(マイケル・キッチン=写真中央)が、渋すぎるくらいに渋くて大変よろしい。高倉健イングランド版とでも言おうか。部下で女性運転手のサム(同右)、戦場で片足を失ったミルナー刑事(同左)の好演も光る。三人三様の〝個人事情〟が丁寧に織り込まれているので、見始めるとハマるのである。

テーマ曲がまた、いい。聴くだけでホロッとくる。ホロ苦い作品全体を取り仕切った人がA・ホロヴィッツだから、そうなるのだろう。(違うかも)

「治五郎がそれほど褒めるなら見てみようか」と思う人も、3万人読者の中に二人や三人はいるだろう。(数の違いが大きすぎるか)

二人でも三人でも構わない。今は、昔の映画やドラマを(合法的に)見る方法が幾つもあるんだから、試みてほしい。(「つまらなかった」という人に損害賠償はしません)