ボケを自覚しなくなること、これ即ちボケなり
ぼけ【惚け】㊀ぼけること。「いよいよーが来た / 寝ー」
ぼける㊀【惚ける・耄ける】〔年をとったりして〕記憶力・弁別力・集中力が弱くなる。「寝ー / とー」
治五郎は、50代半ばで「ああ、記憶力・弁別力・集中力が弱くなってきたなあ」と自覚したので、60で退職すると同時に田舎に「ひきこもる」ことにした。(結果的に、その生活も4年で破綻したのだが)
もともと運転は好きじゃないし、運転しようと思えば出来ないこともないが、64歳で免許証を返納した。尾久警察署の係員は「早いですね」と少し驚き顔だったけれど、なあに、運転なんか何十年もしてないペーパードライバーなのだ。苦しゅうない。
自分の利便を考えれば、70になっても80になってもクルマは捨てられないだろう。しかし万が一、そんな自分のボケが原因でアクセルとブレーキを踏み間違え、通学児童の列に突っ込んだりしたら・・・
「そんな事態は想像もできなかった」という、今は拘置所にいるおじいちゃん。どうしても想像力が働かなくなってくるのが、ボケというものの本質じゃないでしょうか。