ヒマワリ・チューリップ・スミレ・ドクダミ
昨日の続きです。計8種類の花が登場したが、これを治五郎の好きな順ではなく、好きとは言えない順に並べたらどうなるかーー。
①ラン②ヒマワリ③チューリップ④サクラ⑤レンゲ⑥タンポポ⑦スミレ⑧ドクダミ
となる。「みんな違って、みんないい」と言ってるくせに、実はかなり厳格な序列があることに人は釈然としないかもしれない。(釈然も何も、関心自体がないだろう)
ワシが概して、派手な花より地味な花、観賞用よりも野草系に愛着を感じている様子が見て取れよう。同じサクラでもソメイヨシノとヤマザクラでは評価が分かれるし、アジサイはどこに入るか、曼珠沙華(彼岸花)はどうかとなると、話はまた難しくなる。
困った性分の一つと自覚しているのは、手入れの行き届いた庭園、特に「花壇」というものに対して全く心を動かされないこと。ヨーロッパの宮殿なんかへ連れていかれると気分が悪くなる。「百花繚乱? ふん」てなもんや。
標高の高いモンゴルの草原で、前を行く案内人が踏んで歩いているのが高山植物・エーデルワイスだと気づいた時「おいおい、まずいんじゃないの? 日本だったら〝自然愛好者〟が目を三角にして怒るよ」と言ったら、相手が「いや、花の方は気にしてませんから」と応じたのを思い出す。自然というのはこういうもんだと教えられた。
庭園や花壇のような〝見せ物〟ではなく、コンクリートの割れ目から出てきたタンポポにだったら心は動く。しゃがみ込んで「おっ、よく出てきたなあ」と話し込みたくなるけれども、通行人の不審そうな視線に気づく。(まだまだ修行が足らぬ)