異常なまでのブランド・アレルギー

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(ブランド品が好きな方は、気分を害するに決まっているから読まないで下さい)

突拍子もない空想を始めて恐縮だが、もしも治五郎が若くて独身で「集団見合い」(今は合コンとか婚活とか言うらしい)に参加したとしよう。男女とも平均年齢は低くないようだが、容姿端麗と言える女性もいれば、気立ての良さそうな娘もいる。

しかし若き治五郎(言葉に矛盾があるか)の目は、そんなことよりも例えば携えているバッグに行く(窃盗を企んでいるのではないよ)。それが仮にルイ・ヴィトン=写真=であれば、その持ち主への関心は一瞬で消える。(エルメスでもシャネルでも同じ)

「私の大好きな伯父が、そこの革職人でした」という人は問題ない。「子供の頃から、あのデザインが好きで好きでしようがなかった」という人も許そう。

ブランド品の人気というのは、そういうものではない。それを持っている(ことが人の目にとまる)ことによって、あたかも自分までが「高級な人」という印象を与えられるのではないか? という、実に哀れむべき心事に支えられていると思う。

電車の中で隣の人が同じ品を持っていたら、かなり恥ずかしい思いをするに違いないとワシは思うんだが、ブランド・ファンにそんな心配は無用のようだ。「あら、あなたも高級品を身につけないと外出できないタイプなのね」と〝共鳴〟し合うんだろう。

洋服なりバッグなりを買ったのが、イトーヨーカ堂赤札堂キンカ堂かを見抜ける人はいない。(まさか下赤塚の「のとや」じゃないよね)

 ここ数日、中央区立泰明小学校の「アルマーニ制服(約8万円)」問題が話題を呼んでいる。校長先生の好み(というか価値観)はワシと正反対らしいから論争する気もないけれど、某スポーツ紙(日刊スポーツ)によると、女優の石田ひかり(45)がインスタグラムで「これを押し付けられる子どもたちはたまったものではない」と、まっとうな発言をしている。

 芸能人が、まさかブランド品を一つも持っていないということはアルマーニ(いや、あるまいに)、国会での某大臣(麻生太郎氏)の答弁にまで言及している。なかなか立派な芸能人もいるなあ、と感じましたよワシは。できれば、麻生大臣が愛用している黒い帽子にも触れてもらいたかった。(ありゃ一体どういうセンスなんだ?)