爺さんたちの井戸端会議

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【井戸】〔「と」は所の意〕底流する地下水を汲み上げて生活に利用する設備。

【井戸端】井戸のまわり ―かいぎ【ー会議】共同井戸のまわりに集まった主婦が、水汲みや洗濯などをしながらする世間話。

すみません、新解さん。江戸・明治時代じゃないんだから、語釈が少し古すぎませんか? 今どき、東京で井戸は滅多に見つけられないし、従って井戸端も珍しい存在になった。「井戸端に集まって水汲みや洗濯をする主婦」がいたら、天然記念物だ。

「近所に住む奥さんたちの会話」ぐらいの表現が妥当でなないだろうか。

治五郎庵の近くにMという喫茶店がある。内装=写真=もコーヒー(450円)の味も、なかなか悪くないので、ときどき行く。(妻が部屋の掃除を始めた時など)

 75歳のママが一人でやっていて、客は常連が多い。ママと同じ年ぐらいの爺さんたちだ。治五郎がスポーツ紙を読み比べていると、彼らの話し声が嫌でも耳に入る。

これが結構、やかましい。「俺なんかよ、お前・・・」といった口調で、あまり上品な印象は受けない。話題はと言えば「ラクダの股引を買いに行ったら2980円もした」とか「新聞販売店には質の悪い勧誘員がいる」とか、あとは競馬で損した話などだ。

口角泡を飛ばす感じで何時間でもしゃべっていそうなので、ワシは30分もいたら退散せざるを得ない。

井戸端会議は、今や主婦のものではなく年寄り(♂)のものになったのかもしれない。