行く人、来る人
妻アルタンが、テレビのスポーツニュースを見て噴き出している。
「何だ」
「こんな子供が相撲を取っていいの?」
「子供じゃないよ。そいつは炎鵬といって・・・」
<現役関取ただ一人の体重90キロ台力士として奮闘する、新入幕で西前頭14枚目の炎鵬(24=宮城野)が、この日も178キロと腰の重い同12枚目の矢後(24=尾車)を手玉に取り、上手ひねりで転がし5勝目(1敗)。幕内前半の土俵をわかせている。>(日刊スポーツのデジタル版より)
相手との体格が違いすぎるので、土俵に上がると子供に見えても仕方がないのだが、炎鵬の活躍は今場所の救いだ。初日から休場の横綱・白鵬に続いて新大関の貴景勝も五日目から休場となれば、もう「誰が優勝したって興味ねえや」と、好角家の多くが思ってしまいそうな今年の夏場所。
しかし力士たちの新陳代謝は着実に進んでいて、昨日まで現役だと思っていたら今日は花道奥の椅子に座って、新米親方として警備の仕事に就いていたりする。体の重量化などによる大怪我も増え、往年の舞の海を彷彿とさせる軽業師・炎鵬が出てきた陰では宇良が消えてしまった(完全に消えてはいないが、復活には長い月日を要する)。
歳歳年年 人 同じからず。あゝ無常。