会社の同期会というものが面白い理由

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まあ、大体こんな景色である。土曜日の午後3時、有楽町の老舗ビヤホール「ニュートーキョー」2階。

「5500円飲み放題コース」の客(12人)は、ハゲや白髪はもちろん、老人性のシミが浮き出ている(そういう現象と無縁で、50前後に見えないこともないのが2~3人)。

飲み放題と言ったって、大半は生ビールかワインが2~3杯あれば十分だし、次々と出てくる料理も食べきれる量ではない。しかしモトは取らなければならないし、いわゆる「食品ロス」は現代の罪悪だ。独自路線の治五郎は、血糖値を考慮せずに一人で日本酒(2合)を2本いただいた。(家内と医者には内緒だぜ)

なにしろ〝花の(昭和)51年組〟であるからして、顔ぶれは多彩だ。関連会社の社長になったのもいれば、大学教授になったのもいる(さすがに引退組も増えたが、まだ現役もいる)。60歳の誕生日に退職した治五郎などは「隠居の先駆け」なのだ。

「来年の税金は大変だぞ」と労務の幹部経験者が元社長に言う。家族に聾者がいるというT田の手話実演には、久しぶりに「感動」を覚えた。糖尿病にも「不運型」と不摂生を貫いたワシみたいな「自業自得型」があって、前者に属する愛妻のボケが始まったというK藤の介護談には、己を省みて深く恥じた治五郎であった。

5時半で一応の解散となったが少~し物足りないので、5~6人で年甲斐もなく二次会へ。予想していたことではあるけれど、社会的に偉くなったかどうかとは全く関係なしに「ああ、こいつはやっぱりこういう老境に至ったか」と得心できる。

20代前半で出会った頃の印象は、40数年を経てもあまり変わらないちゅうことだわなあ。「この会、毎年やろう!」という声も出るわけだが、治五郎は同意しません。

人間は何より「あ~、もう気が済んだ」という境地を大事にせにゃあかん。