いびきと年齢

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こう見えても治五郎は、最初から無条件に辞書(新解さん)に頼ることを潔しとしない。調べる前に、自分だったらどう定義するかを考えてみる。

例えば「いびき」とは何か。ワシなら「音の出る寝息」とでもしよう、と一応〝たたき台〟を用意してから新解さんに当たるわけである。

【鼾】眠っている時に、呼吸と共に鼻・口から出す、うるさい音。「高ーをかく/人のーは気になるものだ」⇒寝息

【寝息】睡眠中の呼吸(音)。「安らかなーを立てる/-をうかがう」⇒いびき

さあ、お立合い。「うるさい」か「安らか」かは、寝ている本人以外の誰かが感じる主観であって、本人にとってはどっちでもいいのだ。となると「音の出る寝息」の方が、簡潔なうえに客観的だと言えまいか。(自慢している)

自分の背中は、鏡がないと見ることができない。同様に、自分の寝息を聞くことはできないのが普通である。ワシは20代前半の独身時代、探求心が旺盛だったから、当時の若者には必需品だったラジカセ=写真=を使って自分の寝息を録音してみた。

いびきが相当うるさい時もあれば、死んだように寝息が安らかな時もあった。(当たり前か)

あれから40年余、老境に至ったら「うるさい」時と「安らかな」時の落差が少なくなってきたようだ。夜通し読書・翻訳をすることの多い妻によると、未明にワシの携帯(マナーモード)が何分間もブルブル(というかゴーゴー)鳴り続けていると思ったら、いびきだったということが多々あるそうだ。

音量が一定で等間隔ということだろう。(それがどうしたという話だが)