3月3日に生まれて(その2)

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〽 あかりをつけましょ ぼんぼりに・・・

年中行事が概して苦手な治五郎は気が滅入る。サトウハチロー作詞の童謡「うれしいひなまつり」が街に流れる季節も同前なのだが、雛祭=写真=が誕生日となると、そうも言っていられない。

雛祭は女の子の健やかな成長を願う行事であって、男の子は全くお呼びでない。その日に生まれた男児が、歪んだ心を植え付けられることは想像に難くないだろう。

おはじき、綾取り、羽根つきなど、幼年時代は女の子と遊ぶ方が楽しかった。成長してからは、飯を食うのも酒を飲むのも風呂に入るのも、男じゃなくて女と一緒の方が心安らぐ。(これは男なら誰でもそうか)

ワシは自分なりに理論武装したがる傾向があるようで、「誕生日によってフェミニズムを宿命づけられたのではないか」と感じるようになった。

フェミニズム】㊀女権拡張論。女性解放論。㊁女性を大切にする主義。

㊀は少し大げさなので、まあ㊁だと思ってもらえばいい。以来「先天性フェミニスト」を以て任じることになるのも、自然の成り行きというべきであろう。

フェミニスト】女権拡張論者。男女同権論者。〔女性に甘い男性の意に用いるのは、日本での特用〕

 むろん、治五郎の場合が〔日本での特用〕に該当するのは言うまでもない。

この誕生日は(特に女性には)記憶しやすいので、思いがけない人から祝意を告げられる機会も結構、多かった。(過去形であるところが少し寂しい)

ちなみにモンゴル人力士の草分け、旭鷲山(本名バトバヤル)は3月8日生まれ。この日が向こうでは「女性の日」で、これには「解放記念日」の意味合いがあるらしい。お互いに「いやあ、なんだか嬉しいような悲しいような」と、同じ屈折を抱えていることを感じ合ったものであった。