好物を食いに行って疲れ果てる

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夫婦とも、ウナギの肝焼き=写真=が一番の好物である。もちろんウナギ本体も好きなのだが、貧しい庶民にとって近年、ウナギはなかなか手の届かない高嶺の花。夫婦どちらかの誕生日前後など、何か〝晴れの日〟的な口実が要る。

しかも厄介なことに、治五郎は「鰻重だけは松でも竹でも梅でもなく、特上でなければならない」(たとえ1年に2回を1回に減らしてでも)という信念の持ち主だ。

それで昨夜は、久々に谷中・よみせ通りの「山ぎし」まで足を運ぶことになった。谷中に住んだのは東日本大震災の直前までだから(被災したわけではない)、7年半ぶりということになる。

妻が働いている熊野前で落ち合ったが、そこまで10分少々を歩くのが楽ではなかった。右脚の膝から下に筋肉痛がある。日暮里・舎人ライナーで西日暮里まで2駅。そこから山ぎしまでは、さらに10分弱。かつては難なく歩いた距離だが、今は遠く感じる。

肝焼きは(夫婦とも)ここのが一番と評価している。山椒をたっぷり振って、かぶりつく。うむ、うまい! 多淫、いや多飲で少食のワシはもう満腹感があるのだが、ここまで来て鰻重(特上)を食わずに帰るわけにもいかない。

(タレの量が少し減ったか?)と感じる以外は、ウナギの量にも質にもマイナスの変化はないようだ。値段もプラスに変わっていないようなのは、立派。

同じコースを家まで引き返すのが面倒になってきた。歩12分ほどの動坂下(どうざかした)から都バスに乗るという妙案が浮かび、そこまで頑張って歩いた。介護者の肩につかまって休み休み15分。乗ったと思ったら11分後には家にいた。(バスが家の真ん前に停まるのだ)

いやあ、しかし疲れた。あとは12時間以上、いびきをかいて寝た(らしい)。うなぎはスタミナがつくと俗に言うけれど、実態は疲労を促進させるのではないだろうか。