「深夜食堂」との距離感

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 何か訳アリのマスター(小林薫)=写真=が、北新宿で深夜営業(0時~7時)の飲み屋をやっている。「客は来ないだろうって? それが結構、来るんだよ」

深夜ドラマだから見る人は少ないはずだと思っていたら結構、視聴率を稼いで映画化もされ(正・続)、最近は海外でも評判が広がっているようなんだよ。

 狭い店内が主舞台だから非常に安上がり(のはず)だが、「心と小腹を満たす」というキャッチコピーそのままのストーリーが展開する。大都会の縮図である。

ストリップ劇場の踊り子や常連客、ゲイバーのママ、学者、刑事、地回りのヤクザ、交番のお巡りさん、不法滞在の外国人、貞淑な(と思われている)人妻・・・。

治五郎の田舎の老親が知ったら卒倒しかねないが、どの職種の人をもワシは一応、知っている。(深い付き合いをした人がいたかいなかったか、それは内緒)

「世の中」を構成する人間が、どれほど多種多様なものであるかを想像させられる。現実の社会は、もっともっと多様なんだろう。(ワシが大きな過ちや犯罪に手を染めることなく老境に至ったことは、奇跡に近いような気さえする)

あの時、あの人と知り合っていなかったら。60代も半ばを過ぎると人間、そう実感させられる出来事だらけなのであった。