三浦しをんが好きになってしまいました♡

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「いい年をして何だ」って? ええい、止めてくれるな!  治五郎は三浦しをん=写真=が好きになってしまったのだ。(容姿や性格ではなく作品の話だよ)

この作家は現在40歳(もうすぐ41歳)。2006年に「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞を受賞し、2011年には「舟を編む」が本屋大賞に選ばれた。

ワシが読んだ彼女の本は、この2冊だけだ(しかも、つい最近)。新聞社の文化部デスクもやったにしては、今まで読んでなかったのは怠慢ではないか? と難じる向きがあるかもしれないが、それには性格に根差した深~い訳がある。

もともと「群がる」「群れる」ということが苦手で、何かの賞を取って一躍脚光を浴びた新人作家などには冷淡な傾向がある。「ベストセラーに名著なし、ロングセラーに駄作なし」という信念があり、芥川賞直木賞の最新受賞作が本屋の店先に平積みになっているのを見ると、群がる大衆を尻目に「フン」と避けて通るタイプなのだ。

ここ10年ほどはこの傾向に拍車がかかり、話題作を読む時間があったら何度も読んだ夏目漱石や内田百閒、いっそ「平家物語」を読み返す方が有益だと思っている。又吉直樹の「火花」なども文庫本になるまで読む気になれなかった。

三浦しをんの「舟を編む」を読んでみたのは一種の〝出来心〟に過ぎないが、一目惚れしてしまった。出版社の辞書編集部に勤めるマジメな青年「馬締(まじめ)」が主人公で・・・粗筋を記すのは面倒だからやめておく。

しをんちゃん(もう馴れ馴れしくなってる)の作品世界の魅力は何か? 治五郎風に言うと、それは「人類愛と言語感覚」である。

人名や地名のネーミング一つを取ってみても、M音とN音が持つスットボケタ味わいがよく分かっている。「まほろ市」もいいし、馬締が愛するインスタントラーメンの名前「ヌッポロ一番」には笑ってしまった。しをんちゃん恐るべし!