世論調査とワタクシと円グラフ

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国政選挙が近づくと新聞やテレビが世論調査を行い、その結果を報道する。

あなたは投票に行きますか? 結果は「必ず行く」が40%、「なるべく行く」が25%、計65%だ。おいおい有権者諸君、かつてそんな高投票率が実現したことがあるか?

みんなテキトーに答えている。電話などによる世論調査にしても街頭インタビューにしても、国民が本音を漏らすことは滅多にない。取材側が「選んでいる」実態もある。

例えば新橋駅前で、興奮気味のリポーターが「イギリスの王子に第3子が無事に生まれました! ご感想は?」とマイクを突きつけてくる。ワシはそんな経験がないが、こう答えるだろう。「別に。結構なことでしょうが全然、興味がないので」

こんな〝一国民〟の冷たい声がテレビでオンエアされることは絶対に、ない。「あらまあ、おめでたい! 男の子ですか女の子ですか」「名前はどうなるのかしら」

こういう意見しか放映されないのだ。そんな英王室ファンの声を新橋で聞きだすまで、リポーターも結構、苦労しているのではないだろうか。

国民全体の意見を分かりやすく表現するために、よく円グラフ=図=が用いられる。ほとんどが「賛成」「どちらかといえば賛成」か、「反対」「どちらかといえば反対」に二分されるが、国民の意見って、そんなものだろうか。

多くの人が、実は何も分かっていないのではないか? 北朝鮮問題にしても憲法改正問題にしても、真剣に考えたことがないと公言したら末代の恥だから、一応は知っている風を装って適当に答えているだけなのではないか?

円グラフの中でワシが共感を覚えるのは、時計の文字盤で言うと11~12の間に位置する「答えない/分からない」と応じた少数派。とても正直な人々だと思う。